突然の実家の相続となると、どうしたら良いのか困ってしまいますね。
そのまま自分が住み続けるのであれば問題ないのですが、実家が遠方にあったり利用目的もなく、空き家状態となってしまうと、税金や月々の維持費はばかになりません。
全国の空き家数が900万戸を突破している今、相続放棄をする人が過去最高となっていますが、相続放棄は誰でも簡単に出来るのでしょうか?相続放棄をするにあたっての注意点は何でしょうか?
この記事では
- 相続放棄の申述は3ヶ月以内?
- 3ヶ月を超えたらどうしたら良い?
- 相続放棄のメリットとデメリット
- 相続放棄以外のオプションを持つ
という話題について、分かりやすく解説していきます。
相続放棄の申告期限は3ヶ月
相続する実家が「不動産会社に買取りを断られた」「利用価値がない」などの場合、その処理方法のひとつに相続放棄が考えられます。
相続放棄には申述期間があり「自分への相続の開始があることを知った時点から3ヶ月間」に、管轄の家庭裁判所に申述をする必要があります。
第九百十五条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
この「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは、「被相続人が亡くなったこと、または自分が相続人となったことを知った時」ということです。
一般的には親(被相続人)が亡くなった場合はその日の内に分かりますが、被相続人や相続放棄をした前相続人と疎遠であった場合など「相続の開始日」が違ってきます。このようなケースでは「亡くなった日を知った日」が開始日となります。その開始日を起点として、相続放棄は3ヶ月以内に行う必要があります。
この3ヶ月を過ぎてしまうと、原則として相続放棄は出来なくなりますので、注意が必要です。
相続には順位が決められています
また、相続には順番が決められていて、
第1順位:被相続人の子供
第2順位:被相続人の直系尊属(親)
第3順位:被相続人の兄弟姉妹
の順に、相続権が継承されていきますので、知っておくことで後々のトラブルを防げます。
順に放棄していく場合の関係図
- まず自分が一人目として「相続を知った日」から3ヶ月以内に家庭裁判所に相続放棄の申述を行います。
- 次順位の相続人にとっても同様に「相続を知った日」を起点に3ヶ月以内に申述します。
- その次の相続人も同じく「相続を知った日」から起算して3ヶ月以内に申述しなければいけません。
このように、それぞれ「相続を知った日」から3ヶ月以内に家庭裁判所に相続放棄の申述を行う必要があります。
上述しましたが、3ヶ月の期間を過ぎたら原則として放棄することは出来なくなるので注意してください。「期間を知らなかった」「間に合わなかった」は通用しません。期間を過ぎてしまった場合、単純承認したと見なされてしまいますので、くれぐれも3ヶ月以内に相続放棄の手続きは済ませましょう。
3ヶ月を超えたらどうすれば良い?
それでは、もし3ヶ月を過ぎてしまったら、どうにもならないのでしょうか?実は例外として・・・
期間経過後に相続放棄が認められる
という場合もあります。それには以下の条件に適合している場合に限られます。
- 相続放棄の動機となる財産・債務の存在を知らなかったこと
- 知らなかったことについて相当な理由があること
1は借金がある事を知らなかった、2被相続人とは疎遠であり亡くなった事を全く知らなかった、など正当な理由があれば認められる事もあります。あくまでも「認められる事もある」です。絶対に認められる訳ではありませんから、安易に考えてはいけませんが、可能ではあります。
ちゃんとした理由があれば
受付けてくれるかもしれないんですね♪
相続を放棄するメリット
相続放棄をするメリットは大きくわけて2つあります。
- 被相続人(親)の借金を引き継がなくて良い
- 遺産分割のトラブルに巻き込まれなくて良い
相続する財産が自宅のみであり、老朽化や遠隔地にあるために引き継ぎたくない場合、また相続人同士の仲が悪く遺産の分け方でトラブルになりそうな場合にも相続放棄は有効です。
相続放棄のデメリット
それに対して、相続放棄のデメリットはかなり多いので、十分に検討してから「放棄するかしないか」の決定をするようにしましょう。
- プラスの財産も相続できなくなる
- 相続放棄は撤回できない
- 一部でも財産を処分してしまうと相続放棄できなくなる
- 他の相続人と揉めてしまう可能性がある
- 死亡保険金や死亡退職金の非課税枠が使えない
相続放棄をすると・・・
1.借金の放棄だけではなく、プラスの財産も相続できなくなります。
2.後日プラスの財産があることを知って、放棄を撤回したくても認めてもらえません。
3.さらに一部でも財産を使ってしまったりすると「相続を認めた」ことになり、相続放棄は出来なくなりますので、一切財産には触らない注意が必要です。
4.また相続放棄をすると借金の返済義務は自動的に次の順位の相続人に移ります。そのため、その旨を事前に次の相続人に連絡をしておかないと親族間でトラブルに発展する可能性もあります。必ず次順位の人に通知をしてください。
5.最後に故人の死亡保険金や死亡退職金を受取ることは出来ますが、「500万円x法定相続人の数」の非課税枠が使えなくなりますので、その点も注意してください。
結論『相続放棄は簡単ではない』
結論を言うと・・・
相続放棄は簡単ではありません
という事になります。
もちろん、相続放棄は誰でも出来ますし、本当に多額の借金などがある場合には、とても有効です。しかし、問題はこれからお話することです。
第940条
相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第九百五十二条第一項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。
2以下略」
「第940条」を説明すると少し長くなってしまいますが、相続放棄に関わる大きなデメリットとなりうるので、ここで説明をしていきます。
自分の相続放棄が認められたとしても、次の順位の人が相続しなければ、その不動産の名義は被相続人(亡くなった親)のままです。所有者の居なくなった不動産は「空き家」となってしまうために、第940条では「自分が相続放棄をして相続から自由になっても、名義人不在の不動産の保存義務として、その管理は引き続きしなければならない」と決めているのです。
相続放棄が認められて固定資産税などを支払い義務はなくなるのですが、次の相続人(管理者)が決まるまでは、放棄した不動産の管理義務は自費で行わなければならない訳です。
そして、もし相続人全員が相続放棄をした場合には、その不動産の保存義務だけがそのまま残ってしまう可能性があります。このような状況で、放棄した実家が空き家となり放置した結果、家屋倒壊など何らかの事故が起きてしまった場合、その責任を取られて損害賠償請求を受けるという可能性もあり得ます。
民法940条
「相続財産に属する財産を現に占有している」場合は「相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない」
相続人全員が相続放棄したあとも、最終的にその不動産の保存義務(管理義務)が残るため、それを抹消するために、相続人、利害関係者が管轄の家庭裁判所へ「相続財産清算人」の専任を請求します。相続財産清算人が専任され、最終的に国庫に貴族するための作業を行い、ようやく、この不動産から完全に開放されることになります。もちろん相続財産清算人の専任には自費で費用がかかり、平均で数十万円が必要です。
このように、相続放棄には、状況によってかなりの負担(作業と金銭)を覚悟しなければいけません。
けっこう大変なんですね💦
よく考えてから判断をしないと・・・
空き家を「高額・即日で売却する方法」も選択肢に入れるべき!
このように、相続放棄をすることは出来ますが、熟考して判断をしないと、あとあと大きな問題が降り掛かってくる可能性があります。しかも熟考期間とは言いますが、わずか3ヶ月しかありません。
相続放棄にこのようなリスクがあるのであれば、同時にもうひとつのオプションとして、空き家の買取業者に相談するのも悪くありません。
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また「相続放棄したいのは不動産だけじゃないよ」という場合にも、ここでご紹介する空き家の買取業者では、それぞれ社内に法務の専門家を用意しているため、実家や土地の処分だけでなく、総合的に相談をすることが可能です。
空き家を買取りに出すのも悪くはありません!
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一度相談してみるのは悪くないですね♪
この記事では・・・ 空き家を地元の不動産業者に任せて良いのか 事故物件を専門に買取る「成仏不動産」 再建築不可物件が専門の「買取くん」 空き家すべてが専門の「㈱WISH」 それぞれの特徴を、分かりやすく解説していきます。 空き家の売却を地元の不動産業者に任せて...
セカンドオピニオンを無料で相談できる『おすすめ買取業者』
このように、相続放棄と「空き家の買取業者」を同時進行で行うことが、要らない遺産処分を早急に解決することになります。借金が残っている遺産でも、空き家を高額売却できれば、それで相殺(そうさい)することも十分可能です。
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ので、相続放棄という選択肢のほかに、信頼できる「空き家買取業者」に無料相談して状況をしるのも価値があります。
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