令和5年12月13日に空き家の「特別措置法」の改正が施行されました。
この記事では、この新特別措置法による、空き家オーナーへの影響についてを、分かりやすくまとめていきます。
そもそも空き家とは?(定義)
空き家とは「空家法」第2条第1項において定義されているのですが、それを簡単に言うと
- おおむね1年間を通じて電気・ガス・水道の使用実績がないこと
- 空き家所有者が当該建物とは別の地域に住んでいること
- 居住その他の使用がなされていないことが常態であること
これらに該当するものが「空き家」とされます。
特別措置法の改定で何が変わったか
令和5年12月13日付けで新しい特別措置法がスタートしました。今までの空き家は、状態の良い「空き家」で税金に特例措置が与えられていたもの。その反対に状態が悪いと「特定空き家」「特定空家」と判断され税金の優遇措置が与えられませんでした。
今回の改正で、その2つの中間にあたる「管理不全空家」というものが設置され、これが適用されると「特定空き家」同様に税金の優遇措置が外されるようになりました。
管理不全空家の判断基準は
新しい「管理不全空家」と判断する基準は
- 建築物の状態
- 周辺に与える影響
- 所有者等の状況
- その他の状況
を複合的に判断するものとされています。少し細かく見ると・・・
建築物の状態とは
- 建築物が倒壊等するおそれがある
- 建築物の構造耐力上主要な部分に損傷等がある
- 屋根、外壁等が脱落、飛散等するおそれがある
- 擁壁が老朽化し危険となるおそれがある
周辺に与える影響とは
条例第2条第6号イに規定する「不特定の者が侵入すること等により火災を発生させ、または犯罪をおこすおそれがある状態」をいいます。
空き家が、周囲の景観と著しく不調和な状態であるとは、
- 門扉が施錠されていない
- 窓ガラスが割れている
- ゴミの不法投棄がされている
- 不特定者が容易に侵入できる状態で放置されている
など周囲の景観と著しく不調和な状態である場合も、管理不全空家、特定空き家と指定される原因となります。
所有者等の状況とは
上記でも説明しましたが、
- おおむね1年間を通じて電気・ガス・水道の使用実績がないこと
- 空き家所有者が当該建物とは別の地域に住んでいること
- 居住その他の使用がなされていないことが常態であること
いわゆる居住者不在であると、管理不全空家、特定空家に指定される要因になります。
管理不全空家にされない為にどうするか
「管理不全空家」に指定されてしまうと、今まで「状態の良い空き家」で固定資産税、都市計画税の減税措置が取られていたものが、いきなり外されてしまい、「特定空家」と同じ3~6倍もの通常の税金が掛けられてしまいます。
これを防ぐには、以下の3つの方法を取るしかありません。
1.お金と労力をかけて維持しつづける
親の実家を売りたくない人は、5割以上存在します。今後も「空き家」として売らずに維持をしていくのであれば、
- 近隣に迷惑をかけない程度に定期的にメンテをする
- 税金を払い続ける
- 必要は場合は屋根、外壁工事を行う
などで「状態の良い空き家」を維持してきます。
2.売却する
立地条件が良い空き家であれば、すぐに売却もできるでしょうが、そうでないと売却も地元の不動産業者では難しくなってきます。
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まとめ
令和5年12月13日より、空き家の管理がより厳しくなりました。
「今までは実家を相続したけれども何もしていなかった」という所有者も、これからは放って置くわけにいきません。
管理不全空家に認定されてしまう前に、何かしらの手は打っておく必要があります。