自分の所有する空き家が事故物件となると、賃貸するにも売却するにも難しくなってしまいます。しかし、そんな事故物件でも、ある時は事故物件になるし、そうでない場合もあります。
この記事では
- 事故物件になる基準は?
- 事故物件にの相場は?
- 売却が難しい事故物件を売るコツは?
- 事故物件は告知義務が必要か?
について、分かりやすく解説していきます。
事故物件とは
国土交通省が定める「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」で定義する事故物件とは、物件内(戸建て、集合住宅ともに)で以下のような原因で無くなった場合を言います。
- 孤独死
- 病死
- 事故死
- 自殺
- 他殺
- 火災による焼死
- 発見が遅れた孤独死や自然死
【参考】国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」
事故物件が人に与える4つの心理的影響
事故・事件全般の影響
大事件など全国に大々的に報道されたなど、キヲクに強く残っているような事故・事件であるほど、その影響を強く受け「事故物件」として認識されやすくなります。
事故・事件の発生場所の影響
戸建ての場合、建物内であれば事故物件と認識されますが、屋外の庭での死亡となれば事故物件にはならないとされます。
地域性の影響
大都市では他人への関心も低く、事故物件であっても期間は短い傾向があります。逆に田舎では他人への関心度が強いために、同じ事故物件内容であっても都会よりも事故として扱われる期間は長くなる傾向があります。
時間の影響
国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」によると、事故物件の告知義務はおおむね3年とされていますが、人々の心理的瑕疵には「時間的希釈の原則」というものがあり、時間が建つにつれて忘れ去られていきます。
裁判では6~7年まで事故物件と認められることも多いですが、判例では50年前の事故物件が認められたこともあり、その事件性、地域性なども加味されていきます。
事故物件に該当基準
上記、心理的な瑕疵に加えて、同じ死因でも状況により「事故物件」になったり、ならなかったりする所が厄介です。
事故物件ではない基準
国交省のガイドラインによると、以下のような場合は事故物件ではないと定めています。
- 自然死(老衰や自宅での病死)
- 事故死(階段から落ちるなど日常生活上の不慮の死)
- 賃貸物件の場合は事故物件であっても約3年程度経過している物件
- 集合住宅などの共有部分での死
このような「死」は、事故物件とはなりません。
事故物件となる基準
- 自殺・他殺
- 事件性のインパクトが大きく、近隣・社会に与える影響が大きい事故・事件
- 自然死であっても遺体の発見が遅れ、長期間放置され特殊清掃が入った場合
このような場合には事故物件扱いとなり、告知義務が発生します。
事故物件の売却相場
事故物件は、大別すると『自然死』『自殺』『他殺』の3種類となります。その物件の状況によって、売買金額の下落率は大きく変わります。一般的に10%~50%ほど価値が下がります。
事故物件の一般的相場 | |
死因 | 相場価格 |
自然死・事故死・孤独死の場合 | 一般価格の10〜20%ほど下がる |
自殺の場合 | 一般価格の20〜30%ほど下がる |
他殺の場合 | 一般価格の30〜50%ほど下がる |
実際の取引では、気にしない人もたまには居ますが、大半の人は事故物件というと、やはり気にしてしまいます。その結果が売買価格に現れるのですが、下記は「事故内容はどこまで今日できるか」という統計の結果です。
売却が難しい事故物件を売るための対策
今全国的に空き家の数がどんどんと増加しており、2023年度の統計では全国で900万戸に達しています。
それだけ空き家が多いなかで「事故物件」ともなると、売却が簡単ではありません。しかし事故物件の内容をよく把握していれば、それなりの戦略がでてきますから、諦めるのは早計です。
仲介業者に売却する
もっとも一般的な方法で、地元の不動産業者に仲介を依頼する方法です。もちろんこの方法でも良いのですが、仲介業者の場合の問題点があります。
- 事故物件という特殊物件は不動産業者自体が不慣れで断られるケースが多い
- 事故物件には独特の販売ルートがあり、その販売網を持たないために「激安価格」にされる
このように、地元不動産業者は事故物件に不慣れなために、一般的には
- 取引に最低でも半年以上掛かってしまう。
- 価格を安く叩かれる
- その上に仲介手数料を取られる
これは一般論ではありますが、地元の不動産業者に依頼した場合の大半は、このような結果になります。安くても、とにかく物件を手放したい人には向いているかも知れません。
買取業者に売却する
事故物件などの訳あり物件を売却するのに、一番適しているのは「事故物件専門の買取業者」です。
事故物件が専門なので、
- 独自の販売網を持っている為にかなり高額で買取ってくれる場合が多い
- 自社で買取るために、とにかく取引日数が短く、最短7日程度の場合もある
- 仲介業者ではないので「仲介手数料」がいらない
このように訳あり物件の売却には、その専門業者に任せるのが一番得策です。
この記事では・・・ 空き家を地元の不動産業者に任せて良いのか 事故物件を専門に買取る「成仏不動産」 再建築不可物件が専門の「買取くん」 空き家すべてが専門の「㈱WISH」 それぞれの特徴を、分かりやすく解説していきます。 空き家の売却を地元の不動産業者に任せて...
事故物件は売却時に告知義務が必要?
事故物件という訳あり物件を売却するには、その事故内容を告知する義務があります。その結果、売却はより難しくなりますが、それを怠ると買主から損害賠償責任を請求される場合もありますから、必ず告知をすることが重要です。
詳しくは別の記事に掲載していますので、興味があればこちらも同時にお読みください。
事故物件のような訳あり物件は、告知義務が義務付けられています。 不動産取引において、過去に「人の死」などが絡んだ物件は、当然買い手や借手に心理的影響を与えます。これを心理的瑕疵(しんりてきかし)と呼びます。 物件自体には何の問題がなくても、人の死が関わると「知っていたら買わなかっ...
まとめ
ここまで、今所有する空き家が事故物件に当たるのか、そうでは無いのかを説明してきました。
もし事故物件に該当するのであれば、賃貸・売却ともに「告知義務」が発生します。実際の告知の手続き等は、仲介依頼する不動産屋や事故物件専門の買取業者が対応しますから、それほど心配は必要ありません。
もし売却を考えているのであれば、地元の不動産屋よりも、専門の買取業者がおすすめですので、一度無料相談などをしてみるのも一案です。
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