実家を相続することになっても、遠方に住んでいたりして活用も管理もできない。いっそ売却してしまおうと不動産屋に掛け合っても売れずに悩んでいる。
こんな悩みを持つ人も多いのではないでしょうか?
4月9日に公表された司法統計によると、最新のデータ2022年は全国の家庭裁判所で過去最多の26万497件が受理されたことが4月9日、司法統計が発表しました。このように年々、相続放棄件数が増加しています。
どうしても空き家となった実家が売れないのであれば、いっそ相続放棄をすることも可能です。でも本当に相続放棄してしまっても問題がないのかどうか?
この記事では・・・
- 相続放棄とは何か
- 相続放棄の注意点とは
- 放棄以外の選択肢はあるのか
について、分かりやすく解説していきます。
相続放棄とは
そもそも相続放棄とは何でしょうか?簡単にいうと・・・
被相続人(亡くなった人)が残したすべての財産の相続を放棄することです。
実際の遺産の中には、不動産の他に預貯金、有価証券などの資産も含まれるのですが、同時に負の財産である借金などもあります。
相続放棄をすることで、不動産や預貯金などのプラスの財産と同時に借金等のマイナスの遺産も全て放棄することになります。
親の借金がプラスの財産を超えてしまうような時に、相続放棄は有効ですが、注意点もあります。
「不動産などプラスの財産と同時に負の財産もすべて権利を放棄する」
ということなんですね
でも「注意点」って???
相続放棄の注意点
相続した実家がボロ家なのでいらない。残された実家の価値よりも、借金のほうが多い。そんな時には、相続放棄を考えてみる事は正解です。
ただ、相続放棄にはいくつかの注意点があります。それは・・・
1.相続放棄は遺産すべてを放棄すること
親の遺産には、実家、預貯金、有価証券、借金などの負債も含まれます。ここで気をつける事は、それらの遺産の一部だけを放棄することは出来ないという事です。
つまり「預貯金は相続するけど、ボロボロの実家と借金は相続しません」などという、都合は一切つかないのです。
相続放棄は、相続するすべての「資産+負債」を放棄する事になりますので、実行に移す前に、遺産の内容を十分調べる必要があります。
2.相続放棄には申請期限がある
相続放棄の申告は、相続の開始を知った日から3か月以内に申請することが必要です。
この3ヶ月を過ぎてしまうと、十分な理由が無い限り、申請は却下となりますので注意してください。
3.相続資産の管理責任が残る
相続放棄が認められることで、自分は被相続人の財産を引き継ぐ必要はなくなります。
ただ問題なのは・・・
次順位の相続人が相続するまで、自分がその財産を管理しなければいけない
という事になっています。
もし次順位の相続人が見つからない場合は、相続放棄をした相続人(自分)が、相続財産管理人が選任されるまで、相続財産を管理する義務が生じます。相続放棄が完了していても、相続財産の管理責任が課せられてしまう、というとても厄介な責任が生じます。
さらに・・・
相続財産管理人は、誰かが家庭裁判所に申立てしない限り選任されず、その選任には費用が掛かります。
相続人である自分以外に「選任の申立てをする人がいない」場合は、自分がその費用を負担して家庭裁判所に申立てをしなければいけません。
自分はすでに相続放棄をしているので、財産処分や変更権はもちろん無いのですが、相続財産管理人を選任するまでは、相続財産を管理しなければならず、その上、次の相続財産管理人を選任する際の「費用」を負担しなければいけないのです。
注意点の中でも、特に3つ目の「相続資産の管理責任」が面倒です。相続放棄をする際には、よく吟味する必要がありそうです。ただし3か月以内です。
放棄すること以外に、もっと良い方法なないのでしょうか?
相続放棄以外の賢い選択肢はないのか?
相続放棄申立の3ヶ月という制約の中での決断となるので、あまり考えている時間は無いのですが、相続放棄の他に・・・
- 空き家買取の専門業者に買取依頼をする方法
- 実家を売らずに0円有効活用をする方法
と、選択肢は他にもあります。相続放棄という「諸刃の刃(もろはのやいば)」的な方法だけにこだわらず、上記1,2の方法も、困っている空き家の解決方法となりますので、これらも候補に入れることをおすすめします。
空き家専門の買取業者に依頼する
空き家を地元不動産業者に売却依頼すると、なかなか売れないのではないでしょうか?
それは「空き家」という特殊な物件であるため、特に事故物件だったり違法建築など、一般の不動産業者には荷が重すぎるのが、売れない原因の一つです。
空き家を早急に、さらに高額で売りたいのであれば、まちがいなく「空き家専門の買取業者」に依頼するのが正解です。買取業者ですから、通常の不動産売買と違い、決済スピードが最短3日~と、信じられないほどの即決できるのが大きな魅力です。
一般の不動産業者では埒が明かない空き家の売買なら、空き家専門の買取業者に相談するのが正解です。
全ての空き家 ㈱WISH | 事故物件専門 成仏不動産 |
まとめ
親から相続して空き家になってしまった物件の処分方法の一つとして、相続放棄についてお話しました。空き家が売れなかったり、親の相続資産に多額の借金があった場合、相続放棄はひとつの有効な処分方法です。
ただこの記事で説明しましたが、相続放棄には3つの注意点があります。これらの点を十分考慮しつつ、空き家を処分するのであれば、相続放棄は有効な方法であることに間違いはありません。
相続放棄以外の処分方法である、空き家の買取、そして空き家0円活用という方法もありますので、ご自分の状況に合わせた処分方法を選んでください。