相続した空き家を放置するとどんなトラブルになるか?

今、日本では放置空き家の軒数がのきなみ増加しています。行政もその管理に力を注ぎ始めていますが、空き家を放置しているとどんなトラブルが起きるのでしょうか?

この記事では・・・

  1. 空き家を放置することで起こり得る5つのトラブル
  2. 放置すると管理不全空家になる危険性
  3. 放置空き家にしないための3つの方法

について分かりやすく解説していきます。

空き家放置でよく有るトラブル5選

核家族化や少子高齢化の影響により、所有者不在のまま放置されている空き家が全国各地で急増しています。高齢になった所有者が介護施設に入所したり、所有者が亡くなった後に、相続人が管理を放棄していたりといった理由が考えられますが、中には固定資産税が高くなる可能性を懸念し、再利用の予定のない空き家を放置しているケースもあります。特に管理状態の悪い空き家では、放火やゴミの不法投棄などのトラブルも発生しやすいため、どんな理由であっても空き家を放置せず、所有者が適切に管理していく必要があるでしょう。

1.劣化や地震・台風による倒壊の危険性

空き家は通水・通風が行われないために、一般の住宅よりも早く老朽化が進みます。そのため大きな地震や台風等により、外壁の一部が剥がれてしまったり、雨漏り、アンテナ類が倒れて落下したりするなど、さまざまな危険性が高まります。

もし台風で屋根瓦などが吹き飛ばされてしまった場合、雨漏りはもちろん、周辺住宅に被害を及ぼす恐れもあり、その場合は空き家の所有者に損害賠償を請求されたりする事もあります。

空き家であっても人が住んでいるときと同様のメンテナンス管理が必要です。

2.不法侵入や不審者の住みつき

空き家の所有者が不在と判断されると、不法侵入者による侵入や盗難の被害を受けやすくなってしまいます。見知らぬ人が空き家に住み着き、自分の家のように自由に過ごしていたというケースも少なくないようです。

空き家には、人だけでなく犬や猫、ネズミなどの小動物が住み着いてしまう場合もあります。すると糞が散乱して臭いが充満し、建物の劣化が進んでしまうのはもちろんのこと、周辺住民の方にも多大な迷惑となってしまいます。

3.放火の危険性

放火は、放置された空き家の周辺住民の方が、最も不安視する問題の1つです。敷地内にゴミが散乱したり雑草が繁殖していたりすると、あっという間に火が燃え広がり、大火災へと発展する恐れもあります。

また、コンセントなどの電気系統を原因とした火災も少なくありません。これは、長い期間掃除をしないことでコンセントにホコリがたまり、そのホコリが空気中の湿気を含むことで、電流が流れ火災が生じるというケースです。

4.ゴミの不法投棄

人の出入りがないと判断された空き家に、ゴミが不法投棄されているケースがよくあります。空き缶や古雑誌をはじめとした生活ゴミだけではなく、家電製品や家具、自転車、布団などを投げ捨てていく悪質なケースも珍しくありません。一度投棄されると、同じことをする人が後を絶たなくなってしまうのも深刻な問題です。

5.景観の悪化によるクレーム

自分が住んでいる家のすぐ隣に、まるで廃墟と化していく家があると気分が悪いものです。いつ放火犯に狙われるか、犯罪の舞台として利用されるかなど常に不安がつきまとい、落ち着いて生活することが、できなくなってしまうかもしれません。

また、不法投棄されたゴミが山積みとなっていたり、敷地内から悪臭が漂っていたりすると、地域全体のイメージを悪化させる原因になってしまうでしょう。

空き家を管理せずに長期間放置していると、上記に挙げたようなさまざまなトラブルが発生する恐れがあります。そうなれば、空き家所有者だけの問題ではなくなり、周辺住民の方の生活にも悪影響を及ぼす可能性もあるでしょう。 そのため、所有者が空き家をきちんと管理していくか、専門業者に依頼するなどして、適切な状態を保つよう心がけていくことが大切です。

管理不全空家に指定されるリスク

空き家を維持するしていくには、2つの税金が掛かかります。それが固定資産税と都市計画税の2つです。

通常、固定資産税は市町村が決めた土地の価格「課税標準」の1.4%、都市計画税は「課税標準」の0.3%が課税されますが、そこに住居用(戸建て、アパートなど)の建物がある場合には「住宅用地の軽減措置特例」が適用され、

敷地面積200㎡までなら、固定資産税が1/6、都市計画税が1/3
敷地面積200㎡を超える部分に対して固定資産税が1/3、都市計画税が2/3にまで減額されます。

まで減額されます。

問題はここからで、この特例措置が適用される空き家は、管理状態の良い空き家に限ります。自治体から管理が悪い、いわゆる「管理不全空家」または「特定空き家」とされてしまった場合には、この特例措置が無くなります。

放置空き家にしないための3つの方法

はじめに説明した「空き家放置でよく有るトラブル5選」で起こるようなトラブルになる前に、空き家の管理を怠らないことです。管理を続けることは、労力も費用も掛かりますが、税金の減税措置である「住宅用地の軽減措置特例」を適用させたければ、メンテナンスは重要です。

以上は、空き家を放置した場合の話ですが、そうしないための方法が3つあります。

相続放棄

1つめの方法は、所有する空き家の相続を放棄することです。相続放棄を申告することで、やっかいな空き家の相続から逃れることは可能ですが、少しやっかいな問題が残ります。それは・・・

  1. 相続放棄の申告は相続を知った日から3か月以内に限られる
  2. 空き家だけを放棄出来るのではなく、親の全ての財産放棄となる
  3. 相続放棄をしても次の相続人を選任するまで、その管理が続く

このように、相続放棄にはかなりの制約があるので、個人的にはあまりおすすめは出来ませんが、親に多額の借金が残っているなどの場合には、選択肢の1つとなります。

【関連記事】売れない空き家はどうする?相続放棄のメリットとデメリット

空き家の売却

空き家を売却するのは一般的な方法です。

なんの問題もない空き家であれば良いのですが、訳あり物件などを抱えてしまうと、地元の不動産業者では太刀打ち出来ません。さまざまな法的問題を含んでいる可能性があるので、空き家を売却するのであれば、空き家専門の買取業者に買取ってもらうのが、一番手間もかからず、素早く高額に売却できます。

【関連記事】空き家/訳あり物件/事故物件/再建築不可物件の売却|評判の良いおすすめ買取業者を厳選!

無償譲渡サイト

テレビで何度も放映されている無償譲渡サイトを利用する事も考えてみましょう。その中でも有名な「みんなの0円物件」という、大手無償譲渡サイトの利用者が今かなり伸びています。

もちろん「無償譲渡」になってしまうので、「お金はいらないから、誰か有効活用をしてください」という事になるのですが、サイトに無料で掲載して、その数日後には希望者から連絡があるという事が頻繁に起きている、非常に活気のあるサイトです。

【関連記事】空き家の無償譲渡サイト『みんなの0円物件』利用者の声と運営会社を徹底調査!

まとめ

空き家をそのまま放置してしまうと、冒頭で説明したように5つのトラブルに見舞われ、大問題になってしまう。

自治体に「管理不全空家」や「特定空き家」と認定されてしまい、固定資産税と都市計画税が最大6倍にまで増やされてしまう等、現実に起こり得るリスクです。

これらのトラブルが発生すれば、空き家所有者には経済的な大きな負担がのしかかってきます。

空き家を「放置空き家」にしないために、あらかじめ対策をしておきましょう。

 

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